「日土地山下町ビル」の竣工について
日本土地建物株式会社は、2010年7月1日、横浜市中区山下町23番地に、「日土地山下町ビル」を竣工いたしますのでお知らせいたします。
同ビルは、みなとみらい線「日本大通り」駅から徒歩3分、産業貿易センターの南側、神奈川県民ホールの南西側に位置します。地上14階建て、基準階面積260坪を超えるハイスペックなオフィスビルで、外観は横浜の街並みに似合う温かみあるタイルを用いています。
また、同ビルは、「横浜市市街地環境設計制度」と「横浜都心機能誘導地区建築条例」を活用し、建物の高さ制限の緩和と、容積率割増の適用を受けました。誘導用途(事務所)による容積率の割増適用としては、横浜市では初のビルとなります。
(適用前:建物の高さ31m・容積率600パーセント → 適用後:建物の高さ59.90m・容積率777.35パーセント)
敷地内からは、外国人居留地だった明治時代中期のものと思われるレンガの建物基礎が出土しており、その一部を横浜の歴史的遺産として公開空地に展示しております。
当社は、都市の街並み・景観・歴史を大切に考え、魅力的で活気ある街づくりを目指しております。今後も日本土地建物は、「社会・人・環境、そして時代にやさしい」プロジェクトを推進してまいります。
【着工:平成20年6月】
概要
【所在地】
所在 | 神奈川県横浜市中区山下町23番地 |
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敷地面積 | 2,163.73㎡(654.52坪) |
用途地域 | 商業地域(建蔽率80パーセント、容積率777.35パーセント) (横浜市市街地環境設計制度/横浜都心機能誘導地区建築条例による割増177.35パーセント含) |
交通 | みなとみらい線「日本大通り」駅 徒歩約3分 |
【建物概要】
構造 | SRC造、CFT造(一部S造) |
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規模 | 地上14階、地下2階、塔屋2階 |
用途 | 事務所、店舗、駐車場 |
延床面積 | 18,910.92㎡(5,720.55坪) | 高さ | 59.90m |
駐車台数 | 75台 |
【事業主など】
事業主 | 日本土地建物株式会社 |
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設計監理 | 日土地綜合設計株式会社 |
施工 | 竹中工務店、増岡組JV |
外観写真

特徴
■都市景観との調和を考えたデザインと、優れた眺望
4面道路に囲まれた日土地山下町ビルは、敷地外周部に約760㎡の公開空地が設けられております。歩道と広場を兼ね備えた公開空地には、周辺との調和を考え、季節を感じられる常緑広葉樹を配し、オフィスワーカーや行きかう人々に自然を楽しんでいただける場所となっています。
敷地東側8メートル道路は、横浜市の「関内地区都市景観協議地区」で、『関内エリアを結ぶネットワーク街路』として位置づけられていることから、この道路に面してメインエントランスとピロティを設けました。また、この道路は、『見通し景観形成街路』としても位置づけられているため、道路境界線より壁面をセットバックさせて見通し空間を確保しています。
また、ガラスカーテンウォールの12階~14階は、海に向かって横浜港が全貌できる抜群の眺望を誇っております。
■「横浜市市街地環境設計制度」と「横浜都心機能誘導地区建築条例」について
横浜市は、より快適な歩行者空間の整備、地域の憩いの場となるオープンスペースの確保など、都市環境の整備向上への取り組みをしています。
その取組みの一つとして昭和48年に導入されたのが、「横浜市街地環境設計制度」。敷地内に歩道や広場を設けるなど、総合的な地域貢献を図り、良好な市街地環境を形成する計画に対し、建築物の高さや容積率を緩和する制度です。また、平成17年には、「横浜都心機能誘導地区建築条例」が施行されました。これは、横浜市の定める都心機能誘導地区に業務、商業、文化、観光に係る機能を集積し、賑わいを創出することを目的に、建築物や敷地の制限などを行うものです。日土地山下町ビルは、この制度と条例により、次のような緩和・割増を受けました。
①建物高さの緩和:適用前:31m → 適用後:59.90m
②容積率の割増:適用前:600パーセント → 適用後:777.35パーセント
■環境への取組み
時代のニーズである環境への配慮も行っております。
①CASBEE横浜:Aランク
②PAL削減率:16.5パーセント
③ERR:23.0パーセント
④照明
- 基準階エレベータホール、廊下部分にはLED照明を使用。
- オフィスには、昼光を利用しながら、テナント様の使用用途に合わせて、エリアごとに明るさを調節できる昼光利用照明制御システムを採用。このシステムにより、30パーセントの省エネが実現できます。
- トイレなど共用部には人感センサーによる照明調節を採用。
- 公開空地の敷石には太陽光発電によるLED照明が埋め込まれ、夜間は明るく足元を照らします。
■歴史埋蔵物の展示
地中から、歴史埋蔵品が出土しました。公開空地やエントランスに展示をしています。
①煉瓦基礎
この建物の建設工事中に発見された煉瓦基礎の一部。発見された位置から、旧外国人居留地22番館に関連する遺構と考えられます。煉瓦を階段状に積んだ独立基礎で、柱や煙突などの重量物を受けていたと思われます。公開空地エリアに展示しております。
(分析:横浜都市発展記念館)


②炻器(せっき)壜(びん)19世紀 イギリス製
この建物の建設工事中に出土した炻器(堅く焼き締めたもの)の壜。かつてこの場所に建っていた外国商館で使用されていたものと思われます。現在もイギリスにあるデンビー(Denby)社で製造されたもので、インクや薬などを入れる壜として用いられていました。ビルのエントランスホールの壁面にケースをつくり、展示しています。
(分析:横浜都市発展記念館)
